イミダゾールジペプチドは、「抗疲労」成分として優れた疲労軽減効果を発揮することが知られてきましたが、イミダゾールジペプチド500mgの継続摂取が「認知機能の維持・向上」に寄与する可能性が、近年の研究により明らかになってきました。ここでは多くの研究からわかってきたイミダゾールジペプチドと脳についての新事実をご紹介します。
近年、数々の研究によって明らかになってきたのが、認知機能、特に記憶力を維持・向上させるイミダゾールジペプチドの力です。例えば、東京大学大学院の久恒辰博准教授らの研究グループが行った臨床試験では、イミダゾールジペプチド500mgを含むサプリを1日2回、3ヶ月間摂取したグループで記憶力が維持される傾向が確認されました。
さらに、6ヶ月間摂取した試験では、摂取していないグループと比較して記憶テストの成績が有意に向上する結果が報告されました。この研究により、イミダゾールジペプチドを継続摂取することで、高齢者の記憶機能が維持・改善されることが示されたのです。
出典:Hisatsune, T. et al. Effect of Anserine/Carnosine Supplementation on Verbal Episodic memory in Elderly People. Journal of Alzheimer’s disease 50: 149-159 (2016)
いきいきと人生を楽しみたいと願う方にとって、気になるのが「健康寿命」です。なかでも、認知機能を保ち、いつまでも自分らしく考え、行動できることは、とても大切なポイントではないでしょうか。近年の研究では、イミダゾールジペプチドに、軽度認知障害の方の認知機能をサポートする可能性があることが報告されています。
実際に、軽度認知障害の方を対象に1日500mgを3ヶ月間摂取してもらったところ、記憶力を含む認知機能テストのスコアが、摂取していないグループと比べて改善したという結果が示されています。これまでの「イミダゾールジペプチド習慣」の価値をあらためて実感する報告といえそうです。
軽度認知障害(MCI)とは:本人や家族に、認知機能が低下しているという自覚があるものの、日常生活を問題なく送ることができている状態のこと。早めに対処すれば、健常な状態に回復することもあります。
出典:Masuoka, N. et al. Anserine, HClO-scavenger, protected against cognitive decline in individuals with mild cognitive impairment. Aging(Albany NY),31; 13(2): 1729–1741 (2021)
抗疲労をはじめ、記憶力などの認知機能の維持・改善にも役立つことがわかってきたイミダゾールジペプチド。では、脳に良い影響をもたらすメカニズムはどのようなものなのでしょうか。その一端も、これまでの研究の中で徐々に明らかになってきています。
私たちの体内では、日々の活動やストレスなどによって「活性酸素」が生じています。これが過剰になると、細胞にダメージを与え、疲労や老化の一因に。イミダゾールジペプチドには、活性酸素を除去する「抗酸化作用」があり、これが脳へのダメージを抑えると考えられています。
脳の働きを保つためには、十分な血流によって酸素や栄養がしっかり届けられることが欠かせません。東京大学大学院の久恒辰博准教授らの研究グループが行った試験では、イミダゾールジペプチドの継続摂取により、脳血流の維持・改善がみられました。加えて、脳の萎縮の改善も報告されています。
体内で慢性的に起こるわずかな炎症は、さまざまな不調や機能低下につながっているといわれています。特に脳における炎症は、認知機能にも影響を及ぼす要因のひとつです。軽度認知障害の方を対象にした研究では、イミダゾールジペプチドが炎症を抑えることで、認知機能の維持に結びついている可能性が示されています。
これまで抗疲労成分として知られてきたイミダゾールジペプチドには、1日500mgの継続摂取により脳の機能を保つ可能性があることが明らかになってきました。これからもイミダゾールジペプチドの持つ力とその可能性に期待が高まります。